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真の歯科治療とは?MIPPテクニックとは?  ワックスアップとモールドテクニック

ワックスアップとモールドテクニックについてお話しします。

聞きなれない言葉ですよね。

このテクニックは審美補綴のみならず歯の治療ではとても大切な治療ステップです

少しだけ難しい話ですが噛み砕いてお話しします。

想像してみてください、もしあなたが土地を購入し家を建てようと考えた場合、通常はハウスメーカーや工務店といった大工を抱える会社に建築依頼して家を建てると思います。この家を建てる会社が歯医者だと想像してください。この場合歯医者は大工でありデザインを考える建築士にあたるわけです。歯医者は大工仕事(治療)もしますし最終的な設計(治療計画)からデザイン(審美)、構造設計(機能性)まで全てを担うわけです。もしこの治療・設計・デザイン・構造設計の4つの重要事項で一つでも抜け落ちていたら・・ましてや手抜きをされていたら本当に住みたい良い家ができるでしょうか?手抜きされた家に住みたいでしょうか?お金を支払う価値を感じますか?仕方ないで済む問題ではないはずです。これから何年も住んでいくわけですから予算の限界はもちろんあるものの、4つのステップ全てが正確で上手く誠意があるべきですよね。そして当たり前ですよね。

ではもし歯科医師が前歯のガミースマイル治療やセラミック治療・インプラント治療・咬合治療など大掛かりな処置(虫歯一本処置のような庭の物置を建てるような小さな処置は除外されます)をする際に 治療・設計・デザイン・構造設計の4つの重要事項中で設計を怠っていたら・・実はこの設計というのがWax up ワックスアップという治療工程なんです。 え?? 歯医者が設計なしで歯を削り始めるの?インプラント手術してしまうの?設計は治療計画です 行き当たりばったりの治療が上手くいくはずありませんよね。そうです、世の中で審美治療・インプラント治療・咬合治療が上手くいかなかった話なんていくらでもあります。もしかしたらベテラン歯医者はワックスアップなんかいらないよと言います。本当でしょうか。それはただの驕りかもしれません。もしかしたら天才ドクターなのかもしれませんね。私の師匠であるイタリアの巨匠 Dr Mauro Fradeaniはワックスアップなしで審美治療するなんてありえないと言い切っていましたが・・世界全ての歯科医師はワックスアップという治療工程があることを知っていますし大学ではその治療工程がとても大切なんだと教わっています。そうですワックスアップはとてもとても大切な治療計画立案になります。治療が始まる前に患者をこう治しますよ・こういう歯にしますよ・こういう噛み合わせになりますよ! 家の建築で言えばこういうデザインでこんな機能性の家にしますよ・こんなデザインの屋根でここに玄関が来ますよ家の動線はこうですよ日当たりはこうですよ。という当たり前に建設(歯を削る)前に決めておきたいことです。 どうですか? すごく重要だと思いませんか。歯医者の行き当たりばったりな適当な采配や一方的に押し付けられた歯のデザインや噛み合わせでいいんでしょうか。

皆が探し求める審美治療やインプラントが上手い歯科医の条件とは・・そうです、事前に患者様の希望・要望を把握しワックスアップ・モールド・サージカルステント他の準備をしっかり行い完璧な準備をもって治療を開始する先生です。手が器用・知識がある・経験が豊富・センスがいいこれらはむしろ当たり前の事です。治療診査・診断・準備により更なる高みにある治療こそが真の歯科治療ではないでしょうか?

ではwax up ワックスアップとはなんでしょうか? こちらのケースを通して説明いたします。

初診時 前歯            

スマイルの改善と歯の審美性の改善を望んで来院されました。写真から見ても確かに歯が短いですし歯の不揃い感があります。ガミースマイルはそれほど酷くないように思われました。最終的なスマイルのイメージとそれが似合うかの確認のためワックスアップを技工士に依頼します。ワックスを型取りした模型に理想的な形になるように盛ってもらいます。もちろん上の顔写真からも色々と歯の長さや形を技工士と歯科医師で入念な打ち合わせをして決めていきます。

打ち合わせで決まった事項を盛り込んだワックスアップが以下の写真です。

    

これがワックスアップです。いかがでしょうか? 少し歯が長くなり歯茎のラインも綺麗になりましたね。もちろん色はワックスですから変な色ですが。このワックスを白色にしないのは理由があります。白は景色に溶け込み詳細な部分が視覚的にぼやけてしまい判断を誤るからです。繊細なデザインはシャープに見える色を使う必要があるんです。それがこの色です。

それではこのワックスアップが実際口の中に入れた場合本当に似合うんでしょうか。

それを確かめることができるのが以下の写真で紹介するモールドテクニックです。このワックスアップの上にかぶさっているシリコン製の透明な塊がモールドです。

見てわかるようにワックスアップの形状を精密に印記されています。要は型取りしてるわけです。

それではこのモールドに歯科用レジンを流して口の中に入れてみましょう。

 

硬化したら完成です。ワックスアップのデザインが患者様の口の中に正確に再現されました。では比較してみましょう。

 

初診時 前歯

いかがでしょうか?上 二枚を良く比較してみてください。 一番上の写真がワックスアップをモールドテクニックで口の中に再現した状態、その下の写真は何もしていない状態。ワックスアップで作成した歯の長さ・厚みを実際に口の中に洋服の試着のように入れてみることができます。ここで患者様は実際歯茎と骨を切るクラウンレングスニング(コラム参照)とラミネートベニアセラミックをやる前に最終的なイメージを3枚目の顔写真のように口の中に入れ鏡でゆっくり観察できるのです。ここまで通院2回目です。取り返しがつかない外科手術や歯を削るラミネートセラミック治療をする前にここで最終のイメージ見れます・触れます・スマイルも確認できます。私がこの患者様に行ったのはたった一つの型取りと写真撮影です。どうでしょうか?利点しかないですよね。ここの段階で違うなーと思えばクラウンレングスニングもラミネートセラミック治療も断れるわけですから。家の建築で言えばモデルハウスを見ている状態です。この試着したレジンはその場で簡単に外すことができます

審美歯科治療・インプラント治療・咬合治療でいかにワックスアップが大切かわかりましたよね?

さらなる利点があります。それはクラウンレングスニング外科手術の際に設定する歯茎の位置です。

手術写真は画像的にグロテスクなので割愛しますが先ほどのワックスアップ→モールドテクニックをクラウンレングスニング手術にも利用できます。サージカルステントと呼びます。

クラウンレングスニング手術は歯茎の位置設定が物凄く大切な手術です。適当にやれば良いわけでは断じてありません。サージカルステント無しで歯茎の位置を完璧に決めれるごく一部の天才神ドクターは置いといて私のような普通のドクターには必須になります。わかりやすく言い換えますと一枚の折り紙から完璧な円をハサミで切り出してくれと言われて切り出せますか?しかも迷ハサミなく一発で・・・私には絶対無理です。天才ではないので・・

よく聞く手術後の歯茎のトラブルはこう言った準備不足や手抜きから起こります。

来院初日のたった一つの型取りがここまで治療に影響するわけです。さて、クラウンレングスニングが終わり歯茎のガミースマイルが軽減したこの患者様に今度はラミーネベニアセラミックの処置を施してみましょう。

再びモールドを使用しレジンを挿入です。

もちろん前回同様このような状態になりますよね?モールドテクニックによりワックスアップのデザインが再び口の中に再現されました。

それを形成していきます。このように。

 

ここは少し専門的な話になりますが写真をみてください。削っているのは歯だけですか?よくみてください

そうです、削っているのは先ほどモールドで流したレジンとその下にある歯ですよね?

ラミネートベニアセラミックとは最小限の歯の削りを行いほんのわずかな歯の削りでセラミックを貼り付けるテクニックです。

歯の削りを僅かにしたいんです!上の写真のようにラミネートベニアの厚みは0・4ミリほどしかありませんから。歯を削る量も0・5ミリ程度にしたいんです。それを可能にするのがワックスアップ→モールドテクニック→ラミーネベニアセラミック歯の形成という流れです。全てはワックスアップから始まってます。これにより歯の削る量は可及的に最小限ということになります。

これで削り終わりました。ここまで来院はわずか5回です。期間は歯茎の回復を待ったので4ヶ月いよいよ最終ステージです。

歯を入れましょう。患者様は真っ白な歯を選びました。ここはご自身の好みです。色は好きな色を選べます

 

 

初診時 前歯

初診

最終

以上

ワックスアップとモールドテクニックがいかに審美歯科治療に大切かお分かりになったかと思います。最終的にラミーネベニアセラミック歯が入りましたね。ここまで全ての一連のテクニックは

初来院→型取り・写真→技工士ワックスアップ→モールドテクニック→クラウンレングスニング手術→ラミネートベニアセラミック形成→

ラミネートベニヤset 

という流れでした。これらを総じて私がイタリアで学んだ審美歯科の師匠  Dr Mauro Fradeaniはこう呼びます

Minimally Invasive Prosthetic Procedures  MIPPテクニック と言います。

長い文の投稿におつきあいいただきありがとうございました。今回は正しい治療をしている歯科医師がどんなことをしているか裏側をご紹介しました。

MIPPテクニックは審美歯科治療のみならず、咬合回復治療、インプラント治療にまで利用される診査・診断・治療プランと治療実践です。

ここにマイクロ(顕微鏡歯科)精密歯科治療を加えることによりよりハイクオリティを目指し日々努力しております。別次元の歯科治療を今後も紹介させていただきます。

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執筆者情報

院長/歯科医師

中澤 玲 Rei Nakazawa

岩手医科大学歯学部を卒業した後、すぐに顎関節治療の勉強に没頭し、 多面的な目線で顎関節の治療を行う。 その後、アメリカ・ボストン大学に留学し、世界で注目される治療や歯科材料に目を向け研鑽し、審美治療やインプラント治療においては、ドイツ大手のインプラント会社のインターナショナルインプラントインストラクターに任命され、活躍している。

日本インプラント学会、ブラジル審美治療学会論文投稿や歯科雑誌への執筆、2013、2014年とブラジル審美治療Marcelo Daltro先生を個人的に日本に招聘し共同で講演活動を行う。インプラントの本場ドイツでもFrank Zastrow先生と講演活動を行っている。 2014年はドイツのインプラント専門医達の間では解消されていない問題である『顎関節症とインプラント治療』についての講演を行った。

世界でも著名な審美治療医師の一人、Dr.Iñaki Gamborenaと共同講演を日本GC社で開催。高水準のディスカッションにより多数の賞賛を得た。自身でも若手歯科医師向け年間コースを2014年に開設し、日本国内でも各地で講演中。